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松本忠男さんが語る、「店舗での感染対策として掃除が大切」な理由

基礎知識

2020/6/22

新型コロナウイルスをはじめとする感染症を防ぐためには、手洗いやうがいの徹底とともに、こまめな掃除が欠かせません。掃除でなぜ感染症が予防されるのか。飲食店やスーパー、美容院など店舗における掃除の日々の気構えについて、環境衛生に関する指導を長年行ってきた松本忠男さんに聞きました。

接触感染や空気感染の予防には掃除が有効

——感染対策として、なぜ掃除が大切なのですか?

松本 感染症は、ウイルスや細菌などの健康を害する病原体が体内に侵入して起こります。
店舗内では、飛沫感染と接触感染の2つの感染ルートを介して感染する恐れがあり、それらのルートを遮断する対策が求められます。

まず、飛沫感染とは、感染者がせきやくしゃみ、会話などでウイルスを含むしぶきを飛ばし、それを吸い込むことで起こります。これは、マスクの着用や、感染者とのソーシャルディスタンスの確保で防がれます。

一方の接触感染は、掃除が有効な感染対策となります。接触感染は、病原体に汚染されたモノを手で触れ、さらに手から口や目、鼻を経由して病原体が体内に侵入して起こります。そのため、よく触れられるテーブルやドアノブ、照明のスイッチなど、それに、ほこりにも病原体が混じっている恐れがあるので、それらを掃除して、病原体を除去しておくことで予防されます。

感染症は、人から人に直接うつるだけでなく、そのようにモノを介しても感染します。ですから、感染症を防ぐためには、家庭や店舗、職場など私たちを取り囲む環境を衛生に保つよう適切に管理する必要があり、その手段の一つが掃除なのです。

病原体を取り除くには、消毒ではなくまず拭き掃除

——感染症を予防するために、掃除では消毒を行えばいいですか?

松本 感染対策というと、消毒して病原体を死滅させるものだと考えがちですが、必ずしもそうというわけではありません。実は、拭き掃除で多くの病原体は除去でき、健康な方ならそれだけで十分感染リスクは減らせます。室内をくまなく消毒して病原体を殺す必要があるのは、病院など、免疫力が低い方が過ごす環境においてなのです。

もう一つよく誤解されるのが、除菌についてです。除菌とは、菌やウイルスをある程度減らすことを意味し、ウェットティッシュや洗剤などにも除菌効果を謳ったものがあります。しかし、そうした商品は、アルコール濃度が低くて消毒剤のように病原体を殺す効果を持たないので、それらを使うよりも、正しく拭き掃除を行う方が、病原体をよりしっかり取り除けると思います。

——それでは、どのように掃除行えば、効率的に感染を防げるのでしょうか。

松本 モノに付着した病原体とホコリに混じった病原体を、拭き掃除で取り除けばいいです。一つ注意してもらいたいのが、原則として乾拭きから始めることです。いきなり水拭きをすると、水分で病原体が塗り拡げられてしまい、感染対策としては逆効果なのです。

従って、まずは乾拭きで病原体を拭き取り、次に、汚れがあれば洗剤を使って汚れと、汚れに混じった病原体を取り除くようにします。洗剤の主成分である界面活性剤の一部が消毒剤の代用になると、経産省が発表しています。さらに、必要に応じて、テーブルなど病原体が多く付着していそうな場所に限って消毒を行えば、さらに安心です。洗剤や消毒剤を使った場合には、仕上げに水拭きと乾拭きをしてください。

拭き方と汚れ落ちの相関関係

拭き方と汚れ落ちの相関関係

拭き方による汚れ度合いの変化を測定(出典:『ウイルス・カビ毒から身を守る!』)

店舗ごとに方法を見極め、掃除を習慣化しよう

——店舗だと、病原体が付着しやすいのはどのような所ですか?

松本 人が集まって会話をするスペース、例えば飲食店ならテーブルなどは、飛沫が付着しやすいので要注意です。ドアノブや手すり、商品が陳列された棚、レジなど、よく触れられる所も、手を介して病原体が付着する可能性があります。あとは、ホコリにも病原体が混じるので、ホコリがたまりやすい壁沿いの床などもそうですね。

他にはトイレの床。飛び散った排泄物は病原体を含むことがあります。洗面台も、手洗いやうがいでせっかく病原体を洗い流しても、それをしっかり除去せず洗面台に付いたままにしておくと、感染リスクが高まります。

病原体がどこに付着しやすいかは、店舗によって異なります。いまお話しした内容を参考に、店内をよく観察して見極め、そこを優先的に掃除するといいと思います。

汚れ別・感染を防ぐ掃除のフローチャート

汚れ別・感染を防ぐ掃除のフローチャート

出典:『ウイルス・カビ毒から身を守る!』

——どれぐらいの頻度で掃除すればいいかも、店舗によりますか。

松本 そうですね。店舗により、また店内の場所によっても変わります。考え方としては、病原体の数を少なく保てる程度に、掃除を行えばいいでしょう。どれだけ頻繁に掃除しても、無菌の状態を維持するのは不可能ですし、病原体を少量摂取したところで感染はしないので、数を少なく抑えられていれば問題ありません。

病原体が付着しているかどうかは目に見えず、判断が難しいかもしれませんが、要するに、病原体が付きやすそうな所は、ホコリや汚れ、水滴に気づいたらその都度掃除して、そうでもないところは時々掃除するというようにメリハリをつけるのが、効率よく掃除を行うコツです。

新型コロナウイルス感染は、第2波、第3波の到来が懸念されています。掃除も感染症を防ぐ手段として、大変有効です。テーブルのホコリを拭き取るぐらいすぐにできるので、ぜひ掃除を習慣化して、マスクやソーシャルディスタンス、手洗い、うがいなどとともに、総合力でコロナショックに立ち向かっていきましょう。

基礎知識

2020/6/22

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