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感染を予防する——店舗のエリア別掃除法「トイレ・キッチン」

基礎知識

2020/7/13

これまで3回にわたり、ウィルスや細菌などによる感染症を掃除で防ぐ方法について、病院清掃のプロである松本忠男さんに聞いてきました。連載最後の今回は、店舗のトイレとキッチンの掃除術を詳しく教えてもらいます。どのようにすれば、手際よく掃除で病原体を除去できるのでしょうか。

病原ほこりがたまりやすいトイレの床掃除にはスクイージーが最適

衣服の着脱やトイレットペーパーの使用で、案外ほこりがたまりやすいのがトイレです。トイレのほこりの中では、細菌がほこりのない状態に比べて10倍も繁殖しやすいというデータもあり、多くの来店者が利用する店舗のトイレは、なおさら丁寧な掃除が欠かせません。

「トイレ掃除は、壁と床、次に便器の順序で進めるのがポイントです。トイレのほこりの除去は、病原体を塗り拡げないためにも乾拭きから行ってもらいたいです。もし便器から先に掃除すると、水が床や壁にはねて、いくら乾いた布で拭いても、すぐに水分が混じって水拭きの状態になってしまいます」(松本さん)。

トイレが小さい店舗も多く、モップだと掃除しづらいものです。そうした狭い空間でも、スムーズにほこりを除去できるのが、窓掃除によく使われる「スクイージー」に、アレンジを加えたお掃除便利グッズ。スクイージーのゴムの部分に、ハサミで約5㎜間隔の切り込みを入れるだけで、飛散を抑えながらほこりを除去できる道具に早変わりします。

「まず、スクイージーを壁の上から下に向かって動かし、壁全体のほこりを取ります。次に換気扇のほこりを取り除き、床も同じくスクイージーを使って、奥側から手前に一方向に動かしてほこりを取ります。壁や便器沿い、汚物入れの周りはほこりがたまりやすいので、念入りに除去するようにしてください。そのうえで、尿はねがあれば、『重曹水』(80度のお湯500mlに重曹大さじ1を入れて溶かし、冷ます)を吹きかけてしばらく置き、ウエットティッシュを押し当てて汚れを拭き取り、仕上げに全体を消毒用エタノールで一方向拭きすれば、感染対策は万全です」(松本さん)。

スクイージーをアレンジすれば優秀なほこり取りに(出典:『ウイルス・カビ毒から身を守る!』)

スクイージーをアレンジすれば優秀なほこり取りに(出典:『ウイルス・カビ毒から身を守る!』)

感染対策として特に重要なのが便器の掃除

次に、便器の掃除です。排泄物には病原体が含まれていることがあり、ここを清潔にしていないと感染リスクが高まります。

「便器の内側の掃除は、キレート剤入り中性トイレ用洗剤を吹きかけて3分間ほど置き、トイレブラシでこすります。汚れがひどくて落としにくい場合には、酸性洗剤を使うといいです。洗い流す際には、水分が飛び散らないよう便座便器のふたを必ず閉めましょう。便器の外側は、トイレ用のウエットシートで拭きます。上から下に向かい一方向に動かしてください。しつこい汚れには、キレート剤入り中性トイレ用洗剤を使います。仕上げに、水洗レバーや操作ボタンなどよく触れられる所を消毒用エタノールで拭いて、しっかり病原体を除去しましょう」(松本さん)。

トイレブラシは、そのまま使うと、使用後にブラシケースに汚れた水分がたまり、感染の原因にもなります。そこでお勧めなのが、ビニール袋を活用する方法。ブラシのサイズに合うビニール袋をブラシ部分にかぶせたうえで、便器を磨きます。掃除の都度ビニール袋を捨てて交換すれば、簡単にブラシやケース内を清潔に保てます。

キッチン汚れは重曹水とクエン酸水で清潔に

感染症を防ぐために、店舗のキッチンの環境衛生で特に気をつけたいのが、換気扇の汚れです。キッチンの換気扇はとても汚れやすく、汚れたまま放っておくと店舗内の空気がよどみ、感染の原因になります。

「キッチン換気扇は、つけおき洗いすると楽に汚れを落とせます。80度ぐらいのお湯1ℓを用意して重曹大さじ3~4を加え、そこに換気扇のフィルターやファンなど、取り外したパーツを10分ほどつけおきします。仕上げにファンの羽の隙間など、汚れが落ちていない所を歯ブラシで磨いて、水で洗い流せば完了です。換気扇を覆うフードは、液だれしないようにキッチンペーパーなどを当てた上から重曹水をスプレーして3分ほど置き、割り箸の先端部分で汚れをこすり落とします。掃除の頻度は、店舗にもよりますが、見た目に汚れてからでは遅いです。ぜひこまめに掃除するよう心がけてください」(松本さん)。

コンロ周りの壁やキッチンの床には、ほかのスペースとは異なり、油が重なりベタベタしたほこりが多くたまります。このほこりは病原体の栄養素となり、また食中毒の原因にもなるため、やはりこまめな清掃が必要です。

「壁などコンロ周りのベタつきは、重曹水を吹きかけてラップで覆い、3分ほど置いてからスポンジでこするとよく落ちます。仕上げにマイクロファイバークロスで汚れと水分を拭き取ってください。キッチンの床のほこり取りには、トイレ掃除と同じくスクイージーを使うといいです」(松本さん)。

ステンレスシンクに付いたしつこい水あか汚れを落とすには、「クエン酸水」が活躍します。

「日々のシンク周りの掃除には、水500mlに対してクエン酸大さじ3を加えた10%クエン酸水を使います。シンク全体に吹きかけて、3分ほど置いた後にスポンジでこすり、水で洗い流してください。それでも汚れが落ちない場合には、クエン酸の量を3倍に増やした30%クエン酸水を用意します。汚れにスプレーしたら15分ほど置き、スポンジでこするときれいに落ちます」(松本さん)。

換気扇のつけおき洗いにはビニール袋を使うと便利(出典:『ウイルス・カビ毒から身を守る!』)

換気扇のつけおき洗いにはビニール袋を使うと便利(出典:『ウイルス・カビ毒から身を守る!』)

基礎知識

2020/7/13

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