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病院清掃のプロが教える、感染症を予防する店舗の正しい掃除術

行政・法律

2020/6/29

感染症の拡大を防ぐには、店舗でのこまめな掃除が大事です。ところが、「なかなか正しいや方法が実践されていない」と、病院清掃の知識やノウハウを基に「健康を守る松本式掃除法」を確立した松本忠男さんは指摘します。効率的に、そして確実にウイルスなどの病原体を除去するために、どのような点に注意して掃除すればよいのか。鉄則を松本さんに教えてもらいました。

鉄則(1)拭き掃除は、乾いた布で一方向に

店内のあちこちにたまっているほこりには、ウイルスや細菌、ダニなどの汚染物質が含まれている場合があります。そのため、感染症を予防するには、拭き掃除でほこりを取ることが大事です。

「拭き掃除は、乾拭きから始めて、次に水拭きするといった具合に、順序を守ることが肝心です。汚れが付いているからといって、いきなり洗剤を吹きかけて雑巾やモップでこすると、ほこりに混じった病原体が塗り拡げられてしまうのです。フローリングならドライタイプのペーパーモップ、テーブルなら細かな病原汚れもキャッチできるマイクロファイバークロスを使い、ほこりをまき散らさないよう意識しながら回収するといいです」(松本さん)。

さらに、拭き方にもコツが。「よく見られる、布を往復させて拭く方法だと、せっかくきれいになった面にまた汚れが付いてしまいます。拭き掃除は、一方向に拭くのが正しく、病院清掃でも徹底されています」(松本さん)。

一方向に拭き進める

一方向拭きの方法

鉄則(2)消毒はアルコール濃度80%以上の薬剤で

病原体を殺すアルコール消毒剤は、アルコール濃度99.5%以上の無水エタノール、80%前後の消毒用エタノール、60%以下の除菌アルコールに種類が分かれます。このうち、モノに付着した病原体を取り除くのに適するのは、消毒用エタノールです。

「アルコールなら何でも消毒できるというわけではないので注意しましょう。例えば、除菌効果を謳ったウェットティッシュのアルコール濃度は低濃度であるため、アルコールによる消毒効果は期待できません」(松本さん)。

新型コロナウイルスやインフルエンザには消毒用エタノールが有効ですが、ノロウイルスやロタウイルスなど一部の病原体は消毒用エタノールでは不活化できず、塩素系漂白剤を使う必要があります。

また、汚れが付いている場合には、汚れを洗剤で落とさないまま消毒をしても効果は落ちます。油汚れや皮脂汚れの掃除にはアルカリ性洗剤、水垢やトイレの黄ばみには酸性洗剤が役立ちます。

鉄則(3)洗剤をつけてすぐにこすらない

汚れを落とすために洗剤を使うなら、洗剤をつけてすぐにこするのではなく、ある程度時間をあけてから磨くのが基本。「洗剤が汚れに浸透するまでには、しばらく時間がかかります。洗剤にもよりますが、汚れに吹きかけて3分から5分ほど経った後に磨くと、汚れ落ちが各段によくなります」(松本さん)。

店内を消毒する際に主に使われる消毒用エタノールも同じです。吹きかけてすぐに拭き取るのではなく、ひと呼吸置くことで優れた消毒効果が発揮されます。

鉄則(4)換気扇をこまめに掃除して、効率よく換気を

ウイルスなどの病原体は空気中にも漂っているため、店内に病原体がたまらないよう換気を行うことも、感染対策として重要です。

スムーズに換気を行うために、日ごろから意識しておきたいのが、換気扇をきれいに保つこと。換気扇は、室内の空気を集めて排気口から排出し、同時に、建物の外から新しい空気を取り込み、空気を効率的に入れ替えてくれます。しかし、換気扇が汚れていると、空気がうまく排出されず、室内に病原体が浮遊していた場合には、換気扇の周囲にそれらがたまってしまいます。

「特にキッチンの換気扇は、排気量が多くスムーズに換気できる一方、ほこりや油も吸うため非常に汚れやすいです。大掃除の時に掃除するだけでは足らず、もっと頻繁に掃除する方がいいです。見た目に汚れたら、その時が掃除のタイミングです」(松本さん)。

換気は、換気扇からできるだけ離れた位置にある窓を開けると、空気がよく流れます。換気のタイミングは1時間に5分~10分が目安で、一度に長い時間換気するよりも、回数を増やす方が効果的です。

鉄則(5)掃除は満遍なくではなく、ポイントを絞って

 

感染症の原因になる汚れやほこりは、店内に満遍なくたまるわけではありません。付きやすい場所にばらつきがあるので、掃除の際には、そこを優先してきれいにすると効率的です。

「特にほこりは、たまりやすい所が絞られます。どの店舗にも共通するのが、店内のフロアの際や、家具と物の側面。階段があるなら、中央よりも両端にたまりやすいです。ほこりは人が歩いて発生した気流に乗り、隅の方に寄せられるので、そのようになります」(松本さん)。

そのほか、意外とほこりがたまりやすいのがトイレの床や壁。トイレットペーパーの使用や衣類の着脱でほこりが発生しやすく、さらに、細菌が繁殖しやすいので、こまめな掃除が欠かせません。洗面所の床や洗面台も水分が多く、カビが繁殖しやすいので要注意です。

「店内すべてをくまなく掃除しなくてはと考えると大変でしょうが、ポイントを絞って掃除すれば簡単に済みます。汚れやほこりがたまりやすい所は毎日ささっと掃除して、それ以外の場所は時々にすれば、店舗を清潔に保ちやすいと思います」(松本さん)。

廊下のほこりを可視化すると、中央よりも壁側にたまりやすいことが明らかに(出典:『ウイルス・カビ毒から身を守る!』)

廊下のほこりを可視化すると、中央よりも壁側にたまりやすいことが明らかに(出典:『ウイルス・カビ毒から身を守る!』)

行政・法律

2020/6/29

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