農林水産省は、農林漁業者・食品関連事業者向けに、従業員に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応と事業所で業務継続を図る際の基本的なポイントをまとめた業種別ガイドラインをウェブサイトで公開している。
予防対策の基本事項をリーフレットで紹介
このウェブサイトでは、最初に「新型コロナウイルス感染症の予防対策」をシンプルにまとめたリーフレットを掲載し、この感染症に対する考え方(5月8日の知見に基づき作成)、推奨する予防策、感染者が発生した施設設備等の消毒方法について紹介している。
この中で、次の考え方を示している。
- 食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染したとされる事例は報告されていない。
- 体調管理やこまめな手洗い・手指の消毒、咳エチケットなどを実施すれば心配する必要はない。
- 一般的な衛生管理が実施されていれば、感染者が発生した施設等において操業停止や食品廃棄などの対応は必要ない。
食品産業事業者や木材産業事業者など事業者別に対応を紹介
「食品産業事業者に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン(PR版)」
事業者別ガイドラインは、食品産業事業者、農業者、畜産事業者、木材産業事業者、林業経営体、漁業者毎に基本的なガイドラインと、その概要をまとめたリーフレット形式のPR版を掲載。各ガイドラインは、1.必要な予防対策、2.感染症患者発生時の患者、濃厚接触者への対応、3.施設設備等の消毒の実施方法、4.業務の継続に向けた対応、で構成される。
たとえば、食品産業事業者向けの業務の継続のための対応では、優先的に継続させる業務を選定し、重要業務を継続するために必要となる人員、物的資源(マスク、手袋、消毒液等)等を把握することや、従業員の確保状況に応じた業務マニュアルを作成することなどをあげている。
また、「新型コロナウイルス感染症発生時の対応に係る農漁業、卸売市場関係者向けガイドライン(北海道版)」について、リンクを設けて紹介している。この北海道版は、農林水産省北海道現地対策本部が、酪農を始め、水田・畑作、卸売市場、水産業について、関係者と意見交換を行いながら作成したもの。「酪農家」「水田・畑作等農家」「漁業者」「卸売市場」に向けて、予防方法や感染者が発生した場合の対応を紹介している。
関係団体等による業種別ガイドラインを一覧で掲載
このほか、食品産業センターや日本フードサービス協会など、農林水産省所管の関係団体等の業種別ガイドラインを一覧でまとめている。業種別ガイドラインは、5月4日に改訂された「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(新型コロナウイルス感染症対策本部決定)等により、各関係団体等に対してガイドラインを作成するなど、自主的な感染防止の取組みが推奨されたことを受けて作成されたものだ。
農林水産省、新型コロナウイルス感染者発生時の対応・業務継続に関するガイド
https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/ncv_guideline.html