食品工場・店舗・施設のための除菌・衛生管理の情報メディア

新型コロナの緊急事態宣言後は感染率が40%~50%低下 千葉大学などが解析結果公表

ニュース

2020/6/29

千葉大学(千葉県千葉市)とNospare(東京都港区)は6月12日、新型コロナウイルス感染症の対策のため、日本政府が発出した緊急事態宣言の後では、宣言前と比較して40%から50%の感染率が低下したと推定されるとの研究結果を発表した。

さらに、感染の流行を抑え込むには外出自粛などの施策の継続期間を保つことと、特に終了後の感染率の水準を低く保つことが重要であると定量的に示した。

4月7日に日本政府が緊急事態宣言を発出した後、新規感染者の増加は落ち着いたが、休業要請や外出自粛等により社会・経済は大きな打撃を受けた。第二波の発生が懸念される中、今後の対応を検討するためにも、緊急事態宣言の前後での人々の行動変容の効果がどれくらいだったのか、また宣言が解除された後に感染者数がどのように推移していくのかを予測しておくことが重要であると考えられる。

そこで、千葉大学とNospareの研究グループは、緊急事態宣言による行動変容の効果の推定と今後の感染の流行予測のため、統計モデルを用いて国内の感染症データを解析し、前述の結果を公表した。

研究の方法

この研究では、疫学でよく適用される「Susceptible(感受性保持者)-Infectious(感染者)-Recovered(免疫保持者)(SIR)モデル」と「状態空間モデル」を組み合わせた柔軟なモデル「状態空間SIRモデル」を用い、ベイズ統計学の枠組みでマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて解析した。

解析には、次の2つの期間の感染状況のデータを用いて、予測モデルの検証を行った。
(期間1)3月1日から宣言発出2週間後の4月22日まで
(期間2)その後さらに5月18日まで

予測には、次の3つのパラメータを組み合わせたシナリオを用いた。

T∗ 外出自粛等の介入施策が継続した日数
c 介入施策中の感染率の変動係数(0 < c ≦ 1、c が小さいほど介入前より感染率が低下したことを示し、行動変容による効果が大きいと考えられる)
c∗ 介入施策の終了後の感染率の変動係数(1は、通常の生活様式に戻った状態、0.9、0.8は行動変容により感染抑制が続いている状態を想定している)

れにより、緊急事態宣言の前後での行動変容の効果推定と長期的な感染流行の推移予測を行った。その結果、次のことが示された。

研究の結果1:感染流行の予測とその変化要因

予測内容 予測・示唆されたこと
「期間1」のデータを基に4月23日以降の感染者率の推移を予測 行動変容の効果が大きい(の値が小さい)ときでも、施策の継続日数が短い(∗の値が小さい)とピークが遅れるものの感染者率は増加し、8月頃に流行のピークを迎える(図1)。
施策の終了後の感染率(∗)の違いで流行の変化を予測・比較 感染率の低下度合いが大きな施策を比較的長く実施したとしても、その後の感染率の水準が0.9程度では、小さいながらも感染流行の第二波が発生する可能性がある(図2)。
「期間2」のデータを基に同様に予測 今後の流行の推移が外出自粛等の介入施策の継続日数(∗)と施策の終了後の感染率(∗)の値の組み合わせに依存する(図3)。介入施策の継続日数が短いと一定期間後に感染率が上昇し感染者数が再度増加する可能性があるが、一方で施策の終了後の感染率を抑える(∗の値を小さくする)ことによって今後の感染拡大を抑えることができる。このことから、流行を抑え込むには特に施策の終了後も長期的に感染率の水準を低くする(∗の値を小さくする)ことが重要であることが統計的にも示された。
感染流行の予測

研究の結果2:緊急事態宣言前後での感染率の変化 ※「期間2」のデータを使用

推定内容 推定・示唆されたこと
介入後の感染率の低下度合の推定 介入施策中の感染率の低下度合()は0.5から0.6であった。つまり、感染率は外出自粛等の施策による人々の行動変容により、それらがない時と比べて40%から50%ほど減少したと考えられる。
基本再生産数(自然状態で1人の感染者が平均的に何人に感染させるかを示す)と実効再生産数(介入施策などによる行動変化を考慮して1人の感染者が平均的に何人に感染させるかを示す)を推定 基本再生産数の推定値はおよそ1.4~1.5。介入の効果を考慮した実効再生産数の推定値は0.81~0.88。再生産数は1を下回ると感染流行が収束に向かうと考えられている。

これらの結果から、緊急事態宣言下での外出自粛などによる行動変容には一定の効果があったということが推定された。

ニュース

2020/6/29

関連製品Sponsored by FUJITEX

  • 非接触温度センサー

    非接触温度センサー

    非接触温度センサーシステムを搭載した顔認識温度測定装置です。

    詳細を見る