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HACCPに沿った衛生管理 導入済みの食品製造事業者は23%(2019年10月1日時点)

ニュース

2020/7/16

HACCPに沿った衛生管理の導入状況(2019年度)出典:農林水産省「食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査結果」

農林水産省は6月26日、2019年度の食品製造業におけるHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の導入状況について実態調査を実施した結果をとりまとめ公表した。

これによると、2019年10月1日時点で、HACCPに沿った衛生管理を導入済みの食品製造事業者は前年より3ポイント増加し23%に、また、「導入途中」を加えると前年より6ポイント増の41%になった。また、「導入を検討している」は21%、「導入未定」は19%、「HACCPに沿った衛生管理をよく知らない」は20%だった。

小規模事業者への周知・導入が課題

販売金額の規模別に導入状況をみると、大規模事業者と小規模事業者で大きな開きがあった。「導入済み」は、売上規模が「100億円以上」の事業者では9割であるのに対し、売上規模が小さくなるほど割合は下がり、売上規模が「5000万から1億円未満」と「5000万円未満」の事業者では1割程度だった。小規模事業者へのHACCPに沿った衛生管理の周知、導入が大きな課題だとした。

輸出との関係をみると、「導入済み」は「既に輸出をしている」事業者では40.8%で、「輸出は検討していない」事業者では18.9%だった。

「導入済み」、「導入途中」または「導入を検討」と回答した事業者に、HACCP導入による効果をきいたところ、「品質・安全性の向上」が86%と最も多く、次いで「従業員の意識の向上」(73%)、「企業の信用度やイメージの向上」(55%)だった。

導入の課題は「施設・設備の整備など金銭的負担」

「導入済み」、「導入途中」または「導入を検討」と回答した事業者に、HACCPの導入に当たっての問題点をきいたところ、「施設・設備の整備に係る資金」が43%と最も多く、次いで「HACCP導入手続きの手間(金銭以外の手間)」(37%)、「従業員に研修を受けさせる時間的余裕がない」(32%)となっている。

また、「HACCPの導入が未定」と回答した事業者に、未定の理由を聞いたところ、「施設・設備の整備に係る資金」(62%)が最も多く、次いで、「HACCP導入までに係る費用(コンサルタントや認証手数料など金銭的問題)」(47%)、「HACCP導入後に係るモニタリングや記録管理コスト(金銭的問題)」(35%)となっている。HACCPには施設・設備の整備など金銭的負担が必要だという認識がなお根強いことがうかがえた。

「導入済み」、「導入途中」または「導入を検討」と回答した事業者における、HACCPの導入に当たって役立つ支援策(複数回答)をみると、「手引書(導入マニュアル)の整備・活用」が50%と最も多く、次いで「公的機関(保健所等)による指導」(38%)、「HACCP責任者・指導者の養成研修の開催」(35%)だった。

2021年6月から原則、全食品等事業者が対象に

食品衛生法が改正され、2020年6月にHACCPに沿った衛生管理が施行された。1年間の猶予期間を経て、2021年6月からは、原則としてすべての食品等事業者を対象にHACCPに沿った衛生管理の実施が求められる。農林水産省では、食品等事業者がHACCP制度化に円滑に対応できるよう、モデル実証や人材育成等の支援を行うこととしている。

HACCP(ハサップ:Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品等事業者自らが、原料受入から最終製品までの工程ごとに、微生物による汚染や金属の混入等の危害要因を予測した上で、危害の防止につながる特に重要な工程を継続的に監視・記録する衛生管の手法をいう。HACCPを導入した施設にでは、必要な教育・訓練を受けた従業員によって、定められた手順や方法が日常の製造過程において遵守することが求められる。

また、HACCPに沿った衛生管理とは、「HACCPに基づく衛生管理」と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の両方を指す。「HACCPに基づく衛生管理」は、国際機関である食品規格(コーデックス)委員会のHACCP7原則に基づき、食品等事業者自らが、使用する原材料や製造方法等に応じ、衛生管理の計画を作成し、管理を行うもの。「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」とは、業界団体が作成し、厚生労働省が確認した手引書を参考に、国際機関であるコーデックス委員会のHACCP7原則の考え方を取り入れながらも、簡略化された手法により管理を行うもの。

今回の調査で、「すべての工場で導入」、「一部の工場又は一部の工程(ライン)で導入」、「導入途中の工場がある」(以下「導入・導入途中」)と回答した事業者のうち「HACCPに基づく衛生管理」を導入している割合は61%で、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は39%だった。

また、「導入・導入途中」と回答した事業者のうち、何らかのHACCPの認証を受けている旨の回答をした者は47%。受けている認証の種類は「地方公共団体によるHACCP認証」(16%)が最も多く、次いで「FSSC2200の認証」(8%)、「ISO22000の認証」(8%)だった。取得予定の認証等は「地方公共団体によるHACCP認証」(24%)が最も多く、次いで「業界団体によるHACCP認証」(15.3%)、「JFS-Bの認証」(9.4%)だった。

厚生労働省の「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」では、コーデックスのHACCPの7原則を求めている民間認証であるJFS、FSSC22000、ISO22000、SQF等の取得については、食品衛生法に基づく規制では求めることはないとしている。各自治体が独自に実施しているHACCPの認証制度については、今後どのように運用するかは各自治体の判断に委ねるとしている。

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2020/7/16

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